伊能忠敬というと全国を測量し大日本沿海輿地全図を完成させ、日本国の歴史上はじめて国土の正確な姿を明らかにした人。
 
 この地図は、最初から幕府の命を受けて作成したのではない。1800年から測量を開始したのだが、彼は既に家督を息子に譲って隠居した後の50歳だったというから驚きだ。半年がかりで奥州街道から根室近くまで往復3,200kmを歩測で作成したという。できばえの見事さで幕府から依頼を受けるようになったという。
 本書では、1次蝦夷地、2次本州東岸、3次羽越、4次東海から北陸、5次畿内、中国地方、6次四国、大和路、7次、8次九州と8回に渡っての測量をルートごとに地図写真と詳細な説明があるのでどんな風にして地図が作成されていったかがよくわかる。
 出来上がった伊能図の正本は残念ながら消失したそうだが、コピーである副本は結構残っているようだ。
 副本が多数存在するというのは伊能図の独特の複製方法のためだろう。
 測量にあたっては縮尺に合わせて測線の曲がり角に針穴をあけ、墨線をつないで地図を作成したという。複製を作るには一般的には原本を下に敷いて上に紙をのせて写った線をなぞるが、伊能図の場合は、複製する和紙の上に原本をのせ測量の時の針穴を貫通させて下の和紙に針穴をつけ、それをなぞって地図を完成させるという。なんとも独創的なやり方だ。
 伊能図の写真が豊富に掲載され、楽しめる一冊だ。
 

 
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土蔵 康司

代表取締役トクラ商事株式会社
大阪、京橋の婦人服店を経営しています。2階で防護服のネット通販サイト防護服.COMも運営しています。  婦人服と防護服という意外な組み合わせで、新聞、テレビなどから取材が